住み心地という不変の価値感

2025.11.3

弊社が創業した頃、お客様に対し住宅の住み心地について私はこう説明しました。

 

「高性能住宅は住み心地が良くて省エネなんです」

 

しかし当時の建築希望者は

 

「高性能住宅?住み心地?省エネ?よくわからないんだけど・・・私は素敵な家が欲しいのよ」

 

とこのような噛み合わない会話がほとんどでした。

 

当時の住宅と言えば輸入住宅やプレハブ住宅が主流であり、どのハウスメーカーも豪華さや見た目を重要視する傾向にありました。

 

この時代にはインターネットは普及しておらず住宅展示場や住宅専門誌から情報を得るしか方法はありませんでした。

 

住宅建築希望者は専門誌を片手に展示場を見て回り「この展示場は素敵!ここに決めた」という感覚で建築会社選びをする方が大半だったように感じます。

 

そのような時代に「高性能で住み心地が・・・省エネで・・・」と目に見えない価値観を説明したところで「???」なのは仕方ありません。

 

それでも私は施工したお宅を2日間借りて見学会を開催し来場する方に説明を続けました。

 

あれから20年以上が経過し時代は大きく変化しました。

 

住宅の高性能化は必須の時代へ入り住み心地も重要視され省エネ性にも敏感になるユーザーが大半を占めるようになりました。

 

今でこそ私達が説明する内容に納得してくれる人がほとんどですが、20年前は私の説明を理解してくれる人はほとんど存在しなかったのです。

 

約30年間様々な価値観を主張する住宅が登場しては消えてゆきました。

 

私は流行りを追いかけず不変の価値がある住宅だけを建築してきました。

 

それが、住み心地という不変の価値感です。

 

30代でも60代でも住み心地の良い住宅には不変の価値があります。

 

新築時に感じた「住み心地の良い家を建てて良かった!」という感覚は30年後も「この家を選択して良かった」と感じます。

 

 

 

 

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